AIに携わるエンジニアのことをAIエンジニアと呼びます。「AI」という定義が広すぎて一時期バズワード化していましたが、今は「機械学習」、「ディープラーニング」のことで定着しています。AIを利用したイノベーションは日々生まれていますので、まだまだホットな領域のエンジニアです。
者: AIエンジニアを目指したい人。なんとなくAIに将来性を感じている人。 何となくAIがおもしろそうと思っている人。
AIエンジニアとは?
今のAIは「機械学習」、「ディープラーニング」を利用して実現するものを「AI」と呼んでいます。つまり、「機械学習」、「ディープラーニング」で実現できることをエンジニアリングするエンジニアが「AIエンジニア」です。
機械学習やディープラーニングの実装にはPythonでプログラミングすることが多いので、業務の最初のほうはこのプログラミングから始めることが多いと思います。AIを使ったサービスや企画から始めることもあるかもしれませんが、「AIとはどんなもので、どういう領域が得意なのか」を理解するためにはプログラミングから始めるのが近道かなと考えています。
あとはIoT機器や自動車、カメラ等にも組み込まれることも多く、プロジェクトや会社の立場によって業務内容は少し違ってきます。
AIエンジニアの年収は?
エンジニアとしてはこれくらいでしょうか。あくまでも平均ですので、スキルアップや勤続年数によってどんどん平均を上回っていくはずです。AIのサービス、商材ははまると大きなビジネスチャンスになるので、スキル次第では大きく年収も変動することでしょう。
AIエンジニアに必要なスキルは?
「機械学習」、「ディープラーニング」のライブラリ、フレームワークとしてメジャーなのはScikit-learn、Tensorflow、Keras、Pytorchなどがあります。これらを利用する場合のプログラム言語としてはPythonを利用することになるでしょう。他の言語でも利用できるかもしれませんが、情報源としては圧倒的にPythonしかない状況です。僕もPython以外で利用したことは無いです。少しでもPythonを触ったことがあればとっつきやすいと思います。開発環境もPythonが使えれば利用できますが、メジャーなのは「Jupyter Notebook」という開発環境です。ブラウザベースでアクセスでき、ブラウザなのでグラフ表示とか結果をグラフィカルに表示するのが簡単というのが大きなメリットです。
雇われエンジニアの場合は、技術にまい進するのがよいと思いますが、少しでもビジネスに絡んだエンジニアになると、分析力、ビジネス力が重要になってきます。
AIには得意な領域と不得意な領域とが明確にわかれますので、データを集めて検証して分析して結果を評価するといったトライ&エラーを繰り返してループさせる必要があります。いくら大量のデータがあってもビジネスとして活用できなければ価値がありません。
AIで成果が一番出ている領域が画像認識の分野です。自動運転や工場のロボットなど、従来の単純な自動化では実現できなかったレベルの自動化まで実現できています。マスクしているかどうかもカメラの映像ですぐにわかるようになりました。
その他、自然言語や音声認識の分野では成果が出ていませんでしたが、徐々にAI技術を活用した成果が出始めています。Googleの翻訳も2018年ごろから格段に精度が上がるようになりました。翻訳の分野でもAIが活用されています。
AIエンジニアの資格
AIエンジニアのためになる資格を紹介します。
以前は、「G検定」、「E検定」くらいで、関連資格として「統計検定」や「Python」があるくらいでしたが、今ではAI関連の資格はいろいろあります。AIを体系的に学んでスキルアップしたい人は資格の取得計画をたてましょう。
資格名 | 説明 | 主催者 |
G検定 | ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定するものです。 AIの基礎で知識レベルを問われる問題が出題されますので、初心者向けの検定試験です。 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 |
E検定 | ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する。G検定の上位資格です。より実践的に実装する能力が問われます。 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 |
データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル | アシスタント・データサイエンティストと数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムが公開している数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムを総合し、実務能力と知識を有することを証明する試験です。 知識だけでなく実践力が問われます。2021年4月発表になったばかりなので新しい資格ですね。 | 一般社団法人データサイエンティスト協会 |
統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎) | 「データサイエンス基礎」試験は、データサイエンスとその応用分野を専門とする大学教員と専門実務家が活用力を重視した問題を開発し、生徒・学生・一般を問わず、AI・デジタル社会の共通スキル「データサイエンス基礎」力を評価し、認証するための検定試験となっています。 模擬試験を見た感じ、より業務に近い能力が問われています。統計検定の主催者と同じなので統計に関連した出題が多いようです。 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
統計検定 データサイエンス発展(DS発展) | 「データサイエンス基礎」を踏まえて、「データサイエンス発展」では大学教養レベルの一般的な内容について、CBT方式で評価・認証します。試験内容は、上記の数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムのスキルセットに準拠します。これによりデータサイエンスのスキルレベルを客観的に評価します。 模擬試験を見た感じ、データサイエンス基礎に比べてより統計の知識が問われています。統計に馴染む必要があるでしょう。 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
どの資格からとればいいか悩んでしまいそうですが、まったくAIの知識が無い人は「G検定」から取得するのがよいでしょう。そこそこ歴史もあり資格対策本も充実しています。G検定の上位資格である「E資格」が試験申し込み条件がついていて、だれでも受験できない点が少し難点ですが、G検定を持っているだけでも自信につながります。
そのあとのステップアップとして、E資格か他のデータサイエンティスト関連の資格にチャレンジする流れになります。
サイエンティスト検定™ リテラシーレベル」
サイエンティスト検定™ リテラシーレベル
「データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」については、2021年4月に発表されたばかりの資格です。
IPAの「データサイエンティストのためのスキルチェックリスト/タスクリストとも連携していますので、今後有力な資格となりそうです。
■「スキルチェックリスト」と「タスクリスト」の読み解き方、活用方法を記した「データサイエンティストのためのスキルチェックリスト/タスクリスト概説」
https://www.datascientist.or.jp/news/release-dskentei/
https://www.ipa.go.jp/files/000083733.pdf
「一般社団法人日本ディープラーニング協会」 の「G検定」、「E資格」と「一般社団法人データサイエンティスト協会」の「データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」のすみわけがわかりにくいですが、出題傾向をみると協会の名前のとおり、「G検定」、「E資格」はディープラーニングのスキルが問われる試験で、「データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」は統計や分析力が問われる試験という位置づけになりそうです。
いずれもAIエンジニアにとっては有益な資格ですので、業務内容や今後のキャリアパスを考えて資格取得計画をたてましょう。
AIエンジニアのスキルを身に着けるには?
AI業務にアサインされるのが一番の近道ですが、AIスキルが無いのにAIの業務にアサインされる恵まれた人もあまり少ないかもしれません。まずは資格をとるか、独学でAIを語れるようになった後に「AIできますよ」とアピールするのが妥当なところでしょう。あとはオンラインスクールもたくさんありますので、独学が難しい人はオンラインスクールも選択肢に入れてみましょう。
僕も利用しているUdemyは動画で、自分の好きな時間で学習を進められるので、オンラインスクールのように時間に縛られるのが嫌な人や、独学では飽きてしまって進まないといった人には最適かなと思います。金額もわりと気軽に始められる講義が多いのもうれしいですね。IT関連の書籍でも3千円、4千円するものがざらにありますので、書籍より安く動画なので頭に入りやすいため初心者にもおすすめです。
参考までに、以下のリンク先の講義も今なら38%OFFの1,500円で受講できます。これは書籍を買うより安いです。Udemyは世界最大と言われる学習プラットフォームなので、安心して利用できます。企業でも採用しているところも多いですね。リンク先は参考までに1つの講義を掲載していますが、他にもAI関連の講義はたくさんありますので、好みの講義を受けてAIエンジニアとしてスキルアップしていきましょう。
データサイエンティストとの違いは?
AIに携わるエンジニアとしては「データサイエンティスト」という言葉もあります。機械学習、ディープラーニングは、膨大なデータを学習させますが、機械学習、ディープラーニングの活用に最適なデータや不適切なデータがありますので、AIエンジニアもデータの目利き力が必要になってきます。
IPAの定義によるとデータサイエンティストに求められるスキルセットとして以下の3つが提示されています。
- ビジネス力
- データサイエンス力
- データエンジニアリング力
https://www.ipa.go.jp/files/000083733.pdf
AIエンジニアにも当てはまりますが、どれも重要なスキルとなります。小さいプロジェクトや、立ち上げ段階のプロジェクトでは1人で3つとも担当することもあります。大きなプロジェクトや具体的にサービス企画段階になってくると、それぞれのスペシャリストで分業が進むケースが多いです。
エンジニアとしては「データエンジニアリング力」が馴染みが深い領域ですね。クラウド上でAI分析する基盤を作ったり、アプリ―ケーションを作ったりするのに重要なのが「データエンジニアリング力」です。
「データサイエンス力」は統計や数学などの見地から、データの評価を行ったり分析を行うスキルとなります。生粋のエンジニアには苦手な領域かもしれません。僕も実は数学や統計は得意ではありません。笑
「ビジネス力」は文字通り、「ビジネスとしてどう活用するか」、「投資対効果はどれくらいか?」など、新サービスの立ち上げや開発にはもちろん投資が必要となりますので、ビジネスとして成立するかどうかの検討が必要となります。
まとめ
AIエンジニアについて書きましたが、なんとなくAIエンジニアの内容はわかってきましたでしょうか?
AIは企業としても重要な要素ですが、日本の国力という観点でも政府が力を入れて予算を組んでいますので、今後ますます重要になってきます。この記事で少しでもAIエンジニアに興味を持つ人ができれば幸いです。
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