はじめに
最近、インフラエンジニア向けの本を良く見かけるようになりました。
昔からネットワークやOS・サーバに特化した本はありましたが 「インフラ」 と名のつく本はほぼ見たことがありませんでした。
これからインフラエンジニアになりたい人。インフラエンジニアになったけど、もっとスキルアップしたい人にとっては体系的に学べる本があるのはよいことだと思います。
ただ、タイトルだけ見ても似たようなタイトルばかりなので、これからインフラの勉強をしたい人はどれを読めばいいのかよくわからないですね。
インフラエンジニアから見て客観的にまとめてみました。
対象読者
- インフラエンジニアを目指している人
- インフラエンジニアの業務を体系的に知りたい人
- インフラエンジニアとしてスキルアップを目指している人
- 気づいたら自分がインフラエンジニアだった人
2022/4/17現在販売されている本
まず、現在販売されている本を並べてみました。
「インフラ」 と名前がついている本に限定しています。サーバ関連やネットワーク関連の本もインフラエンジニアが読むべき本ですが、ここでは 「インフラ」 が付いている本とします。
タイトル | 出版日 | 出版社 |
---|---|---|
インフラエンジニアの教科書 | 2013/10/26 | シーアンドアール研究所 |
インフラエンジニアの教科書2 | 2016/8/26 | シーアンドアール研究所 |
サーバ/インフラエンジニアの基本がこれ1冊でしっかり身につく本 | 2021/4/14 | 技術評論社 |
図解即戦力 インフラエンジニアの知識と実務がこれ1冊でしっかりわかる教科書 | 2021/9/21 | 技術評論社 |
インフラ設計のセオリー –要件定義から運用・保守まで全展開 | 2019/1/26 | リックテレコム |
新人エンジニアのためのインフラ入門 | 2018/3/2 | インプレス |
現場のインフラ屋が教える インフラエンジニアになるための教科書 | 2016/6/24 | ソシム |
Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本 ~インフラの設計から構成、監視、チューニングまで~ | 2014/12/27 | マイナビ |
サーバ/インフラを支える技術 ‾スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用 | 2008/8/7 | 技術評論社 |
絵で見てわかるITインフラの仕組み 新装版 | 2019/6/19 | 翔泳社 |
改訂3版 サーバ/インフラエンジニア養成読本 | 2016/3/18 | 技術評論社 |
インフラエンジニア教本2――システム管理・構築技術解説 | 2015/11/26 | 技術評論社 |
ITインフラ・サーバー プロフェッショナル設計ガイド | 2021/2/16 | 秀和システム |
たのしいインフラの歩き方 | 2015/9/8 | 技術評論社 |
説明
タイトルだけでは、自分に向いている本を探すのは無理でしょう。
著者や出版社の情報で判断するか、本屋に行ってみて確かめてみる必要があります。Amazonでも試し読みできる本もありますね。
ただ、パラパラと見ただけでは違いがわからず迷ってしまうかもしれません。
迷ったときはまずは出版日を比較してみましょう。
古い本は情報が古くなっているか時代遅れになっている場合が多いです。
逆に古い本でも長く販売されているということは人気がある場合もあるので一概には言えませんが、IT業界は時代の流れが速いので、情報の鮮度は大事です。
そういう意味では出版日が新しい本を選ぶというのは、判断材料の1つになります。
また、新しい本ほどAWSやAzure、GCPといったクラウドサービスの情報が比較的多く記載されている傾向にありますので、職場や業務でクラウドを使っているかこれから使いそうな場合は、クラウドに関する情報を判断材料にしてもよいかもしれません。
おすすめ
前置きはほどほどにして、それぞれの本を紹介してもどれがいいか迷ってしまうだけだと思いますので、これからインフラエンジニアを勉強しようとしている初心者の人におすすめの本を1冊に絞ります。
「図解即戦力 インフラエンジニアの知識と実務がこれ1冊でしっかりわかる教科書」
をおすすめします。
理由は以下です。
- インフラの業務が体系的にまとまっている。
- 設計、構築、運用・保守とインフラの上流から下流まで意識した章立てがある。
- 「インフラエンジニアになるには」の章があり、これからインフラエンジニアを目指す人にもわかりやすい。
- カラーで読みやすい。
- 値段が比較的安い。(1,980円)
- 出版日が比較的新しい。(2021年出版)
- インフラ業界でのスキルアップの記載もある。
実際、このシリーズはインフラエンジニアのジャンル以外の本も何冊か持っていますが、カラーで読みやすく、構成もきちんと整理整頓されていてとても読みやすく一気に読めます。
もちろん、これからインフラエンジニアになりたい人、もしくはインフラエンジニアになりたての人をターゲットにしているためそれぞれの内容はどうしても薄くなってしまいます。ただ、経験を積んだインフラエンジニアでも1冊手元に置いておきたいと思える本です。
おすすめの理由詳細
インフラの業務が体系的にまとまっている。
以下、目次を記載しました。
仕事と仕組みがあるのはわかりますが、これからインフラエンジニアを目指す人向けに求人情報や働き方の情報もありますね。
あとは少し経験を積んでからになると思いますが、設計や構築といったところから運用までおさえてありますので、インフラエンジニアとしての一連の工程が体系的にわかりやすく並んでいます。
最後に今後のステップアップにも触れていて、順番的にもとても頭に入りやすい構成になっています。
第1章 ITインフラの基礎知識
第2章 インフラエンジニアの仕事と仕組み
第3章 インフラエンジニアの求人状況と働き方
第4章 インフラエンジニアになるには
第5章 インフラの概要
第6章 インフラの設計
第7章 インフラを構築する
第8章 インフラの運用
第9章 安定したインフラを構築するために
第10章 インフラ業界でのステップアップ
目次の章立ては以下にもう少し細かく記載されています。
カラーで読みやすい。
「別に白黒でもいい」という人は多いかもしれませんが、なじみのない分野の本だと、白黒なのかカラーなのかで、読みやすさが全然変わってきます。
理解できてるかどうかは別にして、頭にも比較的すんなり入ってくるので読むスピードも速くなります。
価格が安い。
IT関連の本は2千円後半から3千円以上の本が多いですが、この本は珍しく千円台です。金額より内容のほうが重要ですが、金額が安いほど買う時にためらいが少ないと思います。
出版日が比較的新しい。
古い本でも名著はありますが、この業界は時代の流れが速く、数年前の情報でも陳腐化していることがよくあります。その点、この本は2021年出版ですので、比較的情報が新しいので鮮度の観点では問題ないでしょう。
インフラ業界でのスキルアップの記載もある。
最後の「第10章 インフラ業界でのステップアップ」にまとまっています。インフラエンジニアとして、今後何を意識すればいいのかの道標になることでしょう。
コンテナ、クラウドはインフラエンジニアにとっておさえておくべき技術です。この本では一言、二言程度しか話題には上がってないですが、「今後何を目標にすればいいのか?」という情報があるのとないのとでは、今後の計画も変わってくるはずです。
第10章 インフラ業界でのステップアップ
61 最新の知識を取り入れる
62 大規模システムの経験を積む
63 セキュリティの知識を身に付ける
64 ソフトウェア開発を知る
65 仮想化技術,コンテナ,クラウドを理解する
66 インフラエンジニアのキャリアパス
次はどんな本が必要?
「インフラエンジニア」と名前のつく本は、体系的にインフラエンジニアの仕事を理解するのに役立ちますが、全般的概要レベルの内容が多く、これだけでは深い知識は身に付きません。
今後のステップアップとして、ネットワークやクラウド、コンテナといったその領域に特化したスキルを学んでいくことになります。
自身のキャリアパスに応じて必要なスキルを身に着けていきましょう。
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